コーチングを学んでから教壇に立ったとき、最も戸惑ったことが「ティーチング」と「コーチング」のバランスです。
引き出すコミュニケーションを大切にしたい!でも、それを大切にすると授業範囲が終わらない!
今日は、私が実際に現場の中から見つけた、私なりの「バランス」についてお話ししたいと思います。
授業に「コーチング」を取り入れる難しさ
こんにちは。
教職員TCS認定コーチの山下イクミです。
「主体的・対話的で深い学び」が現場に取り入れらるようになり、引き出すコミュニケーションである「コーチング」も今まで以上に注目されるようになりました。
教職員としてコーチングを学ぶ方も増えています。
ただ、その中で「現場でどのように活用したらいいのか?」「他の方はどのように活用されているのか?」という声も多く聞かれるようになりました。
そのひとつが「バランス」
実際に、私自身も、コーチを教育現場に戻った時、一番はじめに悩んだのが、この「コーチング」と「ティーチング」のバランスです。
特に中学・高校においては、(学校により差はありますが)大量の学習内容をきちんと教えていく必要があり、コーチング(双方向コミュニケーション)を取り入れようとした途端、授業時間が足りない!ということも。
私自身、しっくりする「バランス」にたどり着くまでに、かなり長い期間試行錯誤しました・・・
「バランス」とは何か?
ところで
そもそも「バランス」って何でしょうか?
先生は「バランス」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
平均台の上を両手を広げて歩くようす?
天秤が振れるイメージ?
パーセンテージ分けされた円グラフ?
そもそも、A or Bで考えていいものなのでしょうか?
例えば、以前の教職員コーチ勉強会で「ティーチングとコーチングのバランス」をテーマにした時は
「ティーチング◯%、コーチング◯%」とお答えする方もいれば
「場面によって変化する」「日によって変化する」「相手によって変化する」とおっしゃっていた方もいました。
・・・ここまで聞いて、いかがでしょうか?
私自身もかなり迷走したのですが、ここまで考えてたどり着いたのは、
もしかすると「どんなバランスか?」と考える前に
「私のバランスの形って、どんな形だろう?」と考えてみることで、自分の理想のバランスが見えてくるのかもしれない
ということでした。
あなたの「バランス」のカタチは?
そう考えると、先生にとっての「バランス」のカタチって、どのようなカタチでしょうか?
ちなみに私がたどり着いた「バランス」の形は・・・
前面に「ティーチング」さんがいて、その後ろにぴったりはりついて「コーチング」さんが隠れている。
(→前から見ると100%「ティーチング」だけど、後ろから見ると100%「コーチング」)
そして、ここぞ!という瞬間に「コーチング」さんが、背後からひょっこり顔を出す。(ひょっこりはんのイメージ)
そんなカタチです(笑)
常に、コーチとしての自分がスタンバイしているからこそ、ティーチングの場でも効果的にコーチングに切り替えられる。
そんな「教員✖️コーチ」を目指したい、そう思うようになりました。
そして、不思議とそのカタチが見えてくると、自分の振るまいや在り方も、自然と見直せるようになってきました。
先生自身がしっくりくる「ティーチングとコーチングのバランス」を
ティーチャーとコーチングのバランスは、きっと永遠のテーマにもなるくらい、大切であり難しいものです。
そして、この「在り方」こそが、子どもたちの可能性や力を引き出す、土台にもなるものでもあると感じています。
ティーチングとコーチングのバランスには、きっとひとつの答えはありません。
今日、例にあげたすべてが正解かもしれないし、ときには不正解となることもあるかもしれません。
大切なのは、先生ご自身がしっくりきて、目の前の児童・生徒の目が輝く関わりであること。
そんなベストバランスが見つかることで、きっと児童・生徒との関わりも、授業という時間も、もっともっと素敵なものに進化していくのではないでしょうか。
TCS認定コーチ 山下イクミ